イベント情報や新製品、ブリッドからのお知らせです。
動画チャンネルの「BRIDE CHANNEL」もご覧ください。
6月に開催予定だった第3戦マレーシア大会が中東情勢の影響で中止となった事により、
SUPER GTは5月に富士スピードウェイで開催された第2戦以来、約3ヶ月間レースが無くなってしまった。
そして8月1日、2日の週末、再び富士スピードウェイで今シーズン3度目のレースとなるSUPER GT第4戦が開催された。
第4戦のレースフォーマットは第2戦の3時間レースとは異なり、SUPER GTの通常フォーマットである300kmレースだ。
このレースでMercedes-AMG GT3に課せられるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)は、
富士スピードウェイの特性に合わせてエンジン出力を制限するエアリストリクターが
他サーキットのφ34.5mmより大きなφ35mmが2個装着される。
BoP重量は第2戦と同じく55kgとされ、車両重量は1340kgとされた。
ここまで2戦を終えてランキング6位につけるGOODSMILE RACING & TeamUKYOは
このレースで42kgのサクセスウェイトを課せられているが、
レギュレーションにより50Kgを超える分のサクセスウェイトの代わりに装着される給油リストリクターは逃れている。
一方、4号車より上位にいる5台は全てサクセスウェイトが50kgを超えているため、給油リストリクターが装着される。
これによりこの5台のピット作業時間は確実に増加する事になる為、富士スピードウェイを得意コースとし、
また高温環境に強いYOKOHAMAタイヤを装着する4号車にとっては上位入賞のビッグチャンスだ。
【8月1日(土) 公式練習、公式予選】
天候:Q1/Q2:曇りコース:ドライ
気温/路面温度 GT300 Q1開始時:32℃/45℃ Q1終了時:33℃/48℃
GT300 Q2開始時:33℃/45℃ Q2終了時:33℃/44℃
午前10時30分、公式練習セッション開始とともに4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは
片岡選手がステアリングを握りコースへと向かった。
プランでは3周のウォームアップの後、3周のプッシュラップを走って一旦ピットに戻る事になっていたが、
ウォームアップ中に異変が起こる。
車内のモニターにエラーが表示されてエンジンが吹けなくなった事が片岡選手から無線で告げられると、
4号車は4周目を終えたところでピットへ戻ってきた。
エンジニアがエラーコードを確認したところ、車速センサー周辺に異常があった事が判明した為、
メカチームは該当すると思われる部品を速やかに交換して、再び片岡選手をコースへ送り出した。
しかしその直後、ピットロード走行中の片岡選手から同じ症状が再び発生した事が告げられ、
そのままアウト・インでピットインとなってしまった。
エンジニアとメカニックが総出で原因究明に当たり、最終的に異常の原因にたどりついて無事に修理を終える事ができたが、
このトラブルシュートに時間を要したことでプラクティスセッションの残り時間に加えて
サーキットサファリにも出走することができず、
予定していたマシンセッティングと持込タイヤの確認が一切出来ないまま予選を迎えることになってしまった。
午後2時20分、公式予選が始まった。
GT300クラスのQ1は、チームランキング順に2組に分けられ、
10分間のセッションで上位9台ずつがQ2へ進めるノックアウト方式で争われる。
ランキング6位の4号車グッドスマイル 初音ミク AMGはB組からの出走となった。
Q1のアタックドライバーは谷口選手。午前の公式練習ではまったく走行ができず、
ドライバースーツを着ることすらなかった谷口選手にとって、このQ1は第2戦富士以来3ヶ月ぶりのGTカーのドライブで、
しかもセッティングは持ち込みのまま未確認状態というまさに文字通りのぶっつけ本番だ。
午後2時38分、Q1B組が始まった。4号車を含む10台がセッション開始とともにコースイン、
タイヤの熱入れとアタックのためのポジション取りを開始した。
セッション開始後もピットに待機するのは31号車(apr LC500h GT)、5号車(マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号)、
7号車(CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO)の3台で、それぞれ1分半ほど時間を置いてコースインした。
この3台はセッション後半に路面上にラバーが載りグリップが上がる「トラックエボリューション」を狙う作戦だ。
セッション残りおよそ2分、全車がアタックラップに入る。
まずは52号車(Green Brave GR Supra GT)が1分37秒360を記録、60号車(Syntium LMcorsa LC500 GT)、
61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)、65号車(LEON PYRAMID AMG)もこれに続いて1分37秒台をマークしていった。
谷口選手は5周目のアタックで1分37秒932を記録し、Q2進出圏内の8番手に浮上。
だがその直後、31号車と5号車がそれぞれ1分37秒433、1分37秒733と谷口選手を上回るタイムを記録したことで、
Q2進出圏外の10番手に押し出されてしまった。
しかし谷口選手は6周目もアタックを継続しており、セクター1、セクター3で自己ベストを更新すると、
1分37秒728までタイムを削り、5号車のタイムをわずか0.005秒上回って9番手でQ2進出を決めた。
Q1終了後、チーフエンジニアのビクター氏はQ1を走った谷口選手からのフィードバックをもとにセッティングをアジャストし、
Q2でのさらなるタイムアップを狙う。
午後3時13分、決勝のグリッドを決めるQ2が始まった。アタックドライバーは片岡選手。
セッション開始とともに4号車を含む10台がコースインする一方、6号車(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI)、
56号車(リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)、45号車(PONOS FERRARI 296 EVO)、
32号車(ENEOS X PRIME AMG GT3)の4台は約1分、96号車(K-tunes RC F GT3)、
666号車(seven x seven PORSCHE GT3R EVO)、7号車、2号車(HYPER WATER INGING GR86 GT)の4台は約2分、
それぞれピットで待機してからコースへと向かっていった。
各車ウォームアップを進めた後、セッション残り時間約2分20秒のところで全車が一斉にアタックに入る。
まずは52号車が1分37秒052をマークしたが、これはセクター3で他車に引っかかった上でのタイムで、伸びしろを残している。
続いて65号車が1分37秒032、更に18号車(UPGARAGE AMG GT3)が1分36秒825とタイムを縮めトップが次々に入れ替わる。
そして残り時間約1分20秒、45号車が1分36秒209と圧倒的なトップタイムを叩き出す。
4号車の片岡選手は5周目にアタックすると、1分37秒030をマークして7番手に着けたが、
セッション終了直前に52号車が1分36秒872で滑り込んできたことで1つポジションを下げ8番手で予選を終えた。
こうしてチームは午前中のトラブルを克服して、シングルグリッドを確保する事ができた。
ポールポジションは圧倒的タイムを出した45号車が獲得したが、
2番手の60号車から下は0.5秒以内に10台がひしめきあう大接戦の予選となった。
【8月2日(日)決勝】
天候:雨/曇りコース:ウェット→ドライ
気温/路面温度 スタート前(13:30):32℃/38℃ 序盤(14:00):31℃/36℃ 中盤(15:05):32℃/35℃
終盤(15:31):30℃/34℃ ゴール時(15:55):30℃/33℃
日曜日の朝、富士スピードウェイ上空は雲が多いものの晴れていた。9時前には既に30度を超える猛暑となっていたが、
気温は午後に向けてますます上昇、高い気温と強い日差しで決勝スタート進行に入った頃には
路面温度は50℃近くまで上がっていた。
しかし急激な気温上昇に合わせて北西の方角に巨大な入道雲が立ち上がっており、
決勝直前のグリッドウォークの最中、突然空が暗くなると大粒の雨が落ちてきた。
各チームはタイヤの交換が禁止されるフォーメーションラップ開始5分前までにドライタイヤでスタートするか、
それともレインタイヤに履き替えるかの判断を迫られた。
そしてフォーメーションラップ5分前、雨は止み、雲間から青空がのぞいていた。
路面は濡れているが路面温度が高いので、多くのチームはレースが始まればすぐに乾くと予想し、
ほとんどの車両がドライ用のスリックタイヤを選択、4号車もドライでスタートする事を決断した。
なお、ウェットタイヤを選択したのは61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)、
22号車(アールキューズ AMG GT3)の2台のみとなった。
ウェット路面でのスタートとなったため、セーフティーカースタートが宣言された。
午後1時30分、予定されていた静岡県警先導のパレードラップおよびフォーメーションラップは中止となり、
セーフティーカースタートで決勝レースが始まった。セーフティーカーは4周を走行した後にコースを離れ、
5周目からいよいよレースが始まった。
しかしホームストレートで全車が一斉にレーシングスピードに入ったその直後、
ゴールライン近くで複数のGT500車両による接触が発生する。
フル加速中にこの接触に巻き込まれた1台がエアロバランスを失って宙に舞い、地面に叩きつけられて大破、
マシンの破片がホームストレートに広く飛び散る大クラッシュに発展した。
これにより即座に赤旗が掲示されレースは一時中断となった。
幸いドライバーは無事に救出され、コース上では早急なレース再開に向けた復旧作業が行われた。
午後2時15分、ふたたびセーフティカー先導によりレースが6周目から再開された。
セーフティーカーは9周目にコースを離れ、10周目からレースがリスタートされると、
片岡選手は8番手をキープし前を走る32号車(ENEOS X PRIME AMG GT3)を追う。
11周目に背後では2号車(HYPER WATER INGING GR86 GT)が65号車(LEON PYRAMID AMG)を抜き、
追いかけてくるマシンが入れ替わっていた。
ここで再びコース上に雨粒が落ち始める。この雨はウェットタイヤに替えるほど路面を濡らすことはなかったが、
路面温度を大幅に下げたことで4号車のパフォーマンスに致命的なダメージを与えてしまう。
このレースに持ち込んだタイヤのスペックが、この雨で想定温度レンジから外れてしまい、
ペースが上がらなくなってしまったのだ。
この事で走行バランスが変わった事も災いして、追い打ちをかけるようにブレーキのフィーリングも悪化しはじめる。
19周目、ダンロップコーナーで止まりきれず、わずかにオーバーラン。
その隙に56号車(リアライズ日産メカニック チャレンジGT-R)に先行を許し9番手に後退。
27周目、最終コーナーで2号車に前に出られてしまうが、すぐにストレートで抜き返す。
しかし、続く1コーナーで再びオーバーテイクされてしまい、10番手にポジションを下げる。
チームは32周目を走行したところでピットインを指示し、ドライバーを谷口選手に交代した。
タイヤ交換と給油を終えて谷口選手をピットから送り出すと、
先行してピットインを済ませていた6号車(UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI)と
18号車(UPGARAGE AMG GT3)の前に出ることに成功、
実質的に2台を抜いてコースに復帰する。同タイミングでピットに入っていた2号車との順位は変らず、
2号車のすぐ背後から追う展開になった。
しかしそのアウトラップ、タイヤが十分に温まっている6号車にはコカ・コーラコーナーで、
18号車には100Rでオーバーテイクを許してしまう。
さらに、ピット作業前は4号車の後方を走っていた65号車まで迫ってきた。
谷口選手はタイヤの熱入れをしながら懸命にポジションを守っていたが、
最終コーナーで並ばれ、ストレートで前に出られてしまった。
34周目にピットに入った62号車(HELM MOTORSPORTS GT-R)はピット作業時間が4号車に比べて10秒以上短く、
前のポジションでコース復帰されてしまった。
44周目に22号車がピットインしてクラス全車のドライバー交代が完了した時点で、4号車は13番手となっていた。
57周目、4号車の前では60号車(Syntium LMcorsa LC500 GT)、65号車、18号車が激しいバトルを展開。
これでペースが落ちたところを谷口選手は見逃さず、一気に接近してギャップ1秒を切る距離まで迫る。
しかし残り周回が少なく、谷口選手は18号車を懸命に追ったもののオーバーテイクには至らず、
0.194秒差で13番手のままチェッカーを受けた。
大量得点のチャンスと意気込んだレースだったが、期待とは大きくかけ離れた結果となってしまった。
この反省を踏まえ、チームは3週間後におこなわれる第5戦鈴鹿での巻き返しを狙う。
【谷口信輝選手コメント】
僕のスティントはコースインしてからできる限りの走りをしたんですが、気がつくと順位が13番手という状況でした。
ピットアウト後、後ろから来た6号車、18号車、65号車に抜かれてからは巻き返すパフォーマンスはなく...。
ただただ自分のスティントを全うしただけで、今回はまったく良いところのない富士だったなと。
32号車のMercedes-AMG GT3はやたら速かったけど、それ以外の65号車、18号車は自分のすぐ前にいたので、
今回の富士はMercedes-AMG GT3の日じゃなかったのかなという気はします。
GT300規定の52号車やFerrari 296 GT3 EVOたちはやたら速いレースウィークだったなと。
楽しみにしていた富士、3ヶ月ぶりの富士がちょっとこういう感じだったのは非常に残念で仕方ないですが、
もう終わっちゃったんで、次のレースに向けて気合を入れ直したいと思います。![]()
![]()
![]()
![]()